SONY PS-Q7

懐かしさにつられて、最近入手してしまったSONY PS-Q7。レコードプレーヤーだが17cmEPも30cmLPもはみ出して回すスタイル。常識からはみ出すことを良しとする当時にSONYのカルチャーを具現化した製品。今から30年以上前、1983年の製品である。

SONY レコードプレイヤーPS-Q7の仕様 ソニー

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  背中にちょこんと付いたアンテナはFMステレオトランスミッターで、レコードをFMチューナー・ラジオで再生できる。アンテナを立てるとトランスミッターがONになり、かつアンテナの先端に赤LEDが光るという凝ったギミック。しかもFMとヘッドホン出力のためだけにRIAAイコライザアンプを内蔵しているという贅沢。つまりプレイヤーの本命の出力端子としてはMMカートリッジの出力をダイレクトに出力する端子(アンプのPHONO入力に接続)となっている。

 レコードに慣れ親しんだ世代にとって、今さら大げさなレコードプレイヤーを持つ気はないが、レコードの最低限の再生手段は持っておきたい、だけどチャイナ製の中途半端なプレイヤーを通販で買って置いておくのは考えたくもない、という層にとって、いまこそこの製品にニーズがあるんじゃなかろうかと思う。

 入手した個体はヘッドホン出力に少々難があり、分解する必要に迫られたので、ついでに中身を観察。

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サイズの割にずっしりと重たいのは、ダイレクトドライブのリニアBSLモータと電源トランスとその重さのバランスをとるウエイトの仕業。トーンアームはリニアトラッキングではないが、アルミ製のダイナミックバランス型

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結局、不具合個所は、ヘッドホン端子とボリュームの接触不良なのですが、交換部品が手に入らないので、とりあえず我慢。f:id:t1000zawa:20151219130134j:plain

カートリッジはLV-43G。針はND-143Gでいずれも入手可能。

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今回の分解にあたり、海外のサイトからサービスマニュアルをダウンロードしたが、海外モデルは、FMトランスミッターは内蔵されておらず、プリントパターンはあるものの部品は実装されていない。理由は商品企画なのか各国の電波法の問題なのか不明。よって海外モデルのRIAAイコライザはヘッドホン出力のためだけにある。

 FMトランスミッターに関していえば、1983年当時は既にFMステレオ変調用ワンチップICとして名高い新日本無線NJM2035Dが存在していたかどうかは微妙だが(ロームBA1404はまだ無かった気がするが)、そうした安易な手に走らなかったのかどうかわからないが、プリントパターンを見る限りオールディスクリートとなっている。

そのFMトランスミッターの特性を、SDRで観測してみると、こんな感じだった。

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うーん、無変調時のスペクトラムを見るとサブキャリアのサプレッションが全然ダメ。本来の性能か経年劣化なのかまではわからず。おそらく経年劣化でキャリアバランスが崩れたか。調整しようにも、FMトランスミッターの基板は、しっかりシールドされていて、簡単ではなくそのまま。

 ところで、はみ出しスタイルといえば、SONY Discmanの伝説の名器D-88を忘れてはならないが、再生とは回りモノの世界、回ってナンボの世界だった。デジタルになってもCD,DVD,ブルーレイ、HDDは回っている訳だが、回っている様子を直接見る機会がすっかり減ってしまった。もしかすると、回らなくても音が聞けるようになった世代は、CDやDVDが、機械の中で回っているという認識がないのかもしれない。酔っぱらって支離滅裂だが、なんとなくわかってくれますか、この感覚。