電気と電子と電波の日記

自分のための備忘メモです

標準電波の受信

 電波時計でおなじみの長波標準電波を初めて「音」として聞いてみた。ご承知かと思うが、電波時計が受信する標準電波は、日本標準時を管理する国立研究開発法人情報通信研究機(NICT)が運用していて、東日本向けに福島県から送信されている40KHzの電波と、西日本向けに佐賀県から送信されている60KHzの電波の2つがある。コールサインは「JJY」。タイムコードを以下のフォーマットで送っている。

標準電波の出し方

http://jjy.nict.go.jp/jjy/trans/timecode1.html

http://jjy.nict.go.jp/jjy/trans/timecode2.html

 この電波は電波時計が受信するもので、わざわざ耳でその音を聞いた人は少ないだろう。ふと思い立って手持ちの無線機IC-7100の受信可能帯域のスペックを見ると30KHzから受信可能とされている。性能保証は500KHz以上となっているが、実際どうなんだろうと思って40KHzにダイヤルを合わせてCWモードで聞いてみると、「ポー、ポー、ポー、ポ、ポッ」という規則的な受信音が聞こえる。あっけなく聞こえるじゃないですか。「ポー」は0.8秒で「0」を示し、「ポ」は0.5秒で「1」、「ポッ」は0.2秒でマーカーつまり同期信号。各ポのパルスの立ち上がりが、きわめて正確な秒信号となっている。つまり日本標準時に同期したパルスの立ち上がりの間隔で「1秒」という時間を送り、パルスの長さを変えること時刻情報を符号化し、1分間をかけて送っている。電波時計はこの信号をいつもデコードしている訳だ。確かに分や時がBCDコードで送信されていることが、自分の耳でデコードできる。まるで人間電波時計である。毎時15分と45分にモールス信号で送信されるコールサイン(JJY)もしっかり受信できた。

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ちょっと意外だったのは、昼間は福島40KHzのみ受信できるが、夜間は佐賀の60KHzの方がずっと強力になることだ。NICTから長波標準電波の電界強度予測値

が公開されているが、当地逗子市の受信状態は最寄の主要地点の横浜市の値とだいぶ異なるようだ。

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追伸 数日、受信してみましたがやはり夜間は60KHzが強力。最近はどちらの局も設備保守や更新のため停波が多いようだ。

標準電波運用情報