電気と電子と電波の日記

自分のための備忘メモです

IC-7100コントローラー故障~修理完了

ICOM IC-7100のコントローラーにスタンドマイク(アドニスAM-508)を接続して運用していたところ、PTTが反応しなくなった。あれこれ調査。

・IC-7100付属のハンドマイクをコントローラーのマイク端子に接続した場合、正常。

・AM-508を、IC-7100本体のマイク端子に接続した場合、正常。

・AM-508の電源は、無線機からの給電ではなく、内蔵電池(単三2本3V)

・AM-508の基板のパターンから回路を追うと、PTTは2SC2458でオープンコレクタでスイッチするようになっている。

・AM-508内部ではPTT系のGNDと、マイクのGNDはつながっていない。

・付属ハンドマイクは、PTTのGNDとマイクのGNDは共通になっている。

・IC-7100コントローラーの回路図上は、PTTのGNDとMICのGNDがつながっているが、実機のマイク端子にテスター当てると、両者に導通がない。
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ということで、IC-7100コントローラーのMICのGNDラインが、コントローラー内部のどこかで断線したらしい、が結論となった。ちなみに、コントローラー内部のMICラインは、アンプやバッファが入っている訳でもなく、MICレベルの音声信号がスルーで本体に接続されているだけ。コントローラーと本体の間のケーブルのシールドが重要なことがよくわかる。各信号ラインには、コネクタ直後にTDKのチップフェライトビーズが入っている。PTTはコントローラー内部でデータに変換され、本体にはコマンドが送信されている。f:id:t1000zawa:20220202232957j:plain

おそらくチップフェライトビーズが断線したのではないかと思い、恐る恐るコントローラーを分解してみると、両面基板の裏側が被疑箇所のようで、液晶を外したり気合を入れたバラシが必要。怖気づいてメーカー修理に出すことにした。

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約2週間で修理完了。予想通りチップフェライトビーズ(コイルと表現されているが)2個と、マイク端子が念のため交換されていた。コイルと表現されているが、高周波の回り込みが原因ではないか?とのこと。公開運用で50Wフルパワーで長時間運用していたことや、マイク切替器を挿入して複数のマイクを使えるようにしていたことが原因かもしれない。無事直ってよかったです。
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ところでIC-7100は部品調達の問題で製造中止の情報が流れたが、1/末に部品調達の見通しがついたということで製造再開が話題になっていた。まだまだ頑張ってほしい。

<「生産終了・在庫限り」から一転>アイコム、IC-7100シリーズの"生産再開"を決定 | hamlife.jp