電気と電子と電波の日記

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Cheap YAGI 1200MHz帯チープ八木アンテナの試作

1200MHz帯のアンテナの実験をしようと思い調べていると、日本のJAMSATのアンテナ工作記事が見つかった。

JAMSAT:500円八木アンテンナ

Cheap VHF/UHF Antennas

この原典はWA5VJB氏のサイト。記事が充実していて面白い。

Printed Circuit Board Antennas| Commercial and Hobby Antennas

https://www.wa5vjb.com/yagi-pdf/cheapyagi.pdf

このアンテナのデータをMNANAに入れて検証されている方も多いようだ。

 

これらの記事を参考に1200MHz帯の超チープなアンテナを試作。

放射器は5mm幅の銅板。反射器と導波器は100円ショップの2.5mmアルミワイヤ。ブームは100円ショップの角材。銅板はビス止め。エレメントは寸法通りカットして2mmのドリルでブームに穴開けて挿入。長さ的に7エレまで行けた。

NanoVNAで見てみると、1200MHz帯のアマチュアバンド内がSWR 1.1から2.0の範囲。放射器はフォールデッドダイポールを半分にしたような形でエレメントの間隔や長さでインピーダンスが変わる設計のようだが、いろいろ試してみると、5エレ八木の状態が最も良好で、その前に導波器を付けるとインピーダンスが乱れて帯域が変化してしまう。NanoVNA見ながら調整できるのは本当に便利。もっと追い込みたい。

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1295MHzでSWR1.8の状態で、外出のついでに1200MHzトランスバーター使ってテスト。横浜市磯子区の局が聞こえていたので手持ちでアンテナを振ったりホイップと比較したり。指向性はしっかりとあって、ホイップよりも良いことが確認できたが、タイミング合わず交信には至らず。信号が強力だったのは釣り船同士と思われる交信。深場の釣りらしい。違法局だと思うが、アンテナのテスト信号として役に立った。

 

今回、このアンテナはJAMSATのサイトのデータで製作したが、原文と翻訳でデータに差があるらしく、どちらが正しいのかよくわからない。

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 こんな実験をしていたら、小学生の頃、地元(埼玉県浦和市)にUHFテレビ局(テレビ埼玉 38ch)が開局する頃(1978年4月)、今回のようなアンテナの実験をしたのを思い出した。300Ωのフィーダーを割りばしに沿わせてで作ったフォールデッドダイポールとバルサ板のブームと園芸用針金で、UHF帯(600MHz帯)の10エレメント八木。2mくらいの物干し竿に取り付けて、屋根に上がって向きを変えてはテレビの映り具合をチェック。通りがかりの新聞屋さんだったか、屋根にかかるハシゴの上の私を見つけて、「それアンテナかい?ずいぶんかわいいアンテナだね~、(ハシゴから落ちないように)気を付けてね~」とほほ笑む。波長から長さ計算して作ったアンテナだが、ホンモノのアンテナには見えなかったのかもしれない。

 そのアンテナで受信できたのは、テレビ神奈川(42ch)、千葉テレビ(46ch)が実用ぎりぎりで、群馬テレビ(48ch)が内容判別できる程度、それに50チャンネルから上の方ではおそらく秩父や多磨方面と思われる在京キー局の中継局の音声がかろうじて入感していた。この時代のUHF局は、放送開始が遅かったり、昼間は静止画のフィラーだったり、呑気な時代だった。確か、群馬テレビは夕方以降しか放送がなく、午後はだるまをあしらったテストパターンを流していた。

 その後、放送大学学園16chが開局した頃、市販の14素子UHFアンテナで試したときに、富士山の方向に向けると、静岡(富士山5合目?)、長野(美ヶ原)のテレビが受信できて驚いたことがある。いまとなってはいい思い出だ。