電気と電子と電波の日記

自分のための備忘メモです

IC-7100修理 時計が進まない

IC-7100の内蔵時計。数か月前から電源切ると、時刻が初期化されてしまうようになってしまったので、バックアップ電池が切れていることはわかっていたが、改めて気が付いたら時計が止まっている。アナログ時計が電池切れで止まるのはわかるが、デジタル時計が止まるというのが面白い。MENUから日時設定はできるがその時刻から進まない。ただ、時々何かのきっかけで秒と分の位の値が進む。無線機としての機能は正常。うーん調査開始‥✴️


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まずはバックアップ電池の交換から。電池はメイン基板の裏側にあるので、ネジを外してアクセス。この電池は

ML414H | セイコーインスツル株式会社 マイクロエナジー事業部

というやつで、3V 1mAh 4.8mm径のリチウム二次電池

容量が小さいが回路図を見ると、RTC(リアルタイムクロック)のみをバックアップしているのでこの容量で良いのだろう。

交換用の電池を探してみると、ML414は小売されていないようで、簡単に手に入らなそうなのだが、秋月にMS型のリチウム二次電池があった。

MSリチウム二次電池 MS414GE FL26E: 電池一般 秋月電子通商-電子部品・ネット通販

MS414GE | セイコーインスツル株式会社 マイクロエナジー事業部

ML型は正極:特殊処理をした二酸化マンガン 負極:リチウム・アルミニウム

MS型は正極:リチウムマンガン複合酸化物を正極 負極:高容量シリコン酸化物

という違いがあり、厳密な互換性については疑問が残るが、とりあえず交換。

 

電池を先週購入したので、10/1に作業再開。

新しいバックアップ電池を基板にハンダ付けし、動作確認。相変わらず、時計が進まない。時刻の設定はできて、時々、秒が進むことがある。

IC-7100の回路図によれば、RTC(リアルタイムクロック)は、S-35930A

https://www.ablic.com/jp/doc/datasheet/real_time_clock/S35390A_J.pdf

がI2CでメインCPUに接続されており、32.768kHzの水晶発振子を基準にして動いている。メニュー画面から時刻が設定できるということは、CPUとRTCは正しく通信しているというだろうから、基準発振まわりが不安定なのかなと思い、基板上のチップ部品の接続をテスターであたっていく。触っていると時々時刻が進むことがある。うーん、接触不良もあるのかなと思い、水晶発振子とチップコンデンサをハンダごてで加熱しはんだを溶かして再はんだすると、発振が安定したのか、時刻が進むようになった

時計が止まる原因は、水晶発振子周辺の接触不良だったということらしい。組み立て直して、作業完了した。

これで直らないとなると、水晶発振子の交換とか、RTCチップの交換とか、厄介な話になるので、メーカー送りになるところでした。よかったよかった。

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20221012追記

甘かった 数日後に現象再発。

もうこれは水晶発振子交換するしかないな。

32.768kHzなら100円ショップの時計にも入っていそうだが、表面実装形を秋月電子に発注 

表面実装型クリスタル(水晶発振子) 32.768kHz (5個入): パーツ一般 秋月電子通商-電子部品・ネット通販

再び分解して、水晶を貼り直して復旧。しばらく様子見です。


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