SONYカセットデンスケ TC-D5Mの修理作業記録を備忘メモしておく。
このTC-D5Mだが、前回のメーカー修理は2009年。再生時に発振するようになってしまったので、SONYサービスステーション品川(品川駅港南口のSONY本社)に持っていくと、修理代は6500円のパッケージになっていて、原因はおそらくスライドスイッチだったと思うが、ヘッド、ベルト、ピンチローラーなど摩耗部品はほとんど交換されて、超ラッキーな思いをしたものだった。
そもそもこの時点で修理可能なこと自体驚きだが、この機種の発売は1980年、製造中止が2005年という超ロングセラーだったので、2009年は製造中止してまだ4年だったのである。
ところが2013年になって、再生スピードがサーボのロックが外れたように異常になってしまい、キュルキュル音に。再び修理を依頼しようと思ったところ、修理受付は2011年に完了とのこと。
困ってしまってわんわわんと、サービスマニュアルをダウンロードして調査を始めること数日、サーボアンプ周辺が怪しいと、IC(μPC358)を交換したりしたものの外れ。さらに調べてようやく原因判明。
この機種はキャプスタンの回転速度をキャプスタンのフライホールに内蔵された一種の交流発電機(FG)の出力をもとにサーボをかけるようになっているが、回転速度に比例した出力がサーボアンプに入力されていないことを発見。原因はFGのコイルの巻線の断線でした。しかも断線箇所はボビンのフランジの内側で、接着剤で固めてあるところ。部品をSONYサービスにあたってもらったが、入手不可能。
フライホイールの構造。図は他からちょっと拝借。
仕方がない。しょせん相手はコイルだから切れたらつなげばよい。フランジの部分を少し割って断線部分を取り出し、巻線をほどいてから巻き直し。巻き数は数回減ったが、高周波でもないから大丈夫だろう。導通を確認してフランジ部分を厚紙で作成。(雑な工作・笑)
組み戻すと、無事、「発電」するようになって、サーボがかかり正常になった。
オートストップが時々効かない不具合が残っているが、内部は緻密なメカと、高密度に部品が詰まった基板と、数多くのビニール線。しばらく触りたくないですな。