電気と電子と電波の日記

自分のための備忘メモです

プリンタ修理 Canon MP610

自宅のプリンタ Canon MP610がエラーコード「6A00」で印刷できなくなった。

MP610は2008年1月に購入して以来、2012年頃に故障してメーカーで一度修理(5年延長保証期間だった)した以外、大きな故障もなく10年超で運用してきた。導入時の記念写真が残っている。

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このプリンタ、CD/DVDのレーベル印刷やスキャナーなど機能が充実。980円のbluetoothアダプタも付けていてワイヤレスにも対応していて、子供の学校や塾通いのためにA3対応のbrotherの複合機を導入した後も現役だ。いまだに根強いファンもいらっしゃる。

MP610が最高・最強だね!

今回のエラーのきっかけは、印刷にかすれが出て、何度も「ヘッドクリーニング」をおこなっても改善しないので、「強力ヘッドクリーニング」をやったら「6A00」エラーに至ったもの。もうダメポか。

このエラーに悩まされた人は多く情報は豊富だ。

価格.com - 『「6A00」の対処法』 CANON PIXUS MP600 のクチコミ掲示板

 

ネットを漁ると、英語版の初期のサービスマニュアルがあり、

http://internaute.free.fr/depannage_canon/mp610/mp610-sm.manuel.reparateur.pdf

それによれば、6010エラーについての記載がある。

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APは何の略? air pump?  auto purge?

 

 インクジェットプリンタは、その名の通りインクを精密なノズルから噴射して印刷する。使うインクを溜めておくタンクが普段購入するインクカートリッジ。ノズルの部分はプリントヘッド(Canonの場合)という。インクは固まると厄介なので、印刷前や印刷後にはインクの載ったプリントヘッドを自動的に端に移動させて、余分なインクをポンプで吸ったり、ワイパーで拭いたり、使用していないときのインクの蒸発を防いだりといった重要な役割をしている。この部分は「パージユニット」というらしい。

 印刷がかすれる場合がたいていノズルにインクが固まって出にくくなっている場合が多いので、ポンプで圧をかけてインクの通りを良くするのが「クリーニング」である。特に「強力クリーニング」などしようものなら、あっという間にインクを消費する。吸ったインクはプリンタの底部に内蔵された「廃インク吸収体」というスポンジのようなものに吸収されるが、使用期間が長くなったりクリーニングを繰り返すとやがて廃インクも満杯になるし、ゴミやホコリでインクがうまく吸い込まれないとインクが溢れることになる。

 このプリンタの場合、パージユニットや廃インクのトラブルは、自分で復旧できないエラーになってしまい、通常は手も足も出ない。すでにメーカーの修理対応も終わっているので、廃棄するか自分で修理するかの2択となる。

  ZuBolla.メモ キヤノン パージユニット・廃インクタンクの清掃・洗浄方法

 

今回我が家で発生した問題は、「印字がかすれた」→「クリーニングした」→「パージユニットになにかトラブルが発生しエラー6A00で停止」というものらしい。

「印字がかすれた」のは、プリントヘッドの掃除や交換で直ってしまうことが多い。交換したいところだが、メーカーは新しい機種を買わせたい事情もあってか、プリントヘッドの部品供給をやめてしまっている。おかげでオークションなどにはプリントヘッドの偽物や再生品があふれている始末だ。

今回は黒インク9BKが担当する部分がNG。プリントヘッドを取り外して電子回路部分に水やインクがかからないようにしながら拭いたり洗ったり。乾かしてテストすると、6A00は出なくなり、印字も正常になったので、しばらく様子見をしようとしていたら、数時間後に再び6A00発生。

こうなったらもう分解だ。先人のブログを参考に作業開始。 

CANON MP610 プリンターを自分で分解・修理してみる【2018】 - MP610が最高・最強だね!

 パージユニット部分には、紙片が残っていたりインクが溢れて汚れていたり。アルコールとティッシュで清掃。ヘッドに当たるスポンジのような 部品は洗ったら真っ白になった。

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組み上げ後、ヘッドの位置調整をおこない、いまのところエラーも出ずに動作している。

我が家の場合、リサイクルインクも使う。由って今後もインクトラブルはあるだろうが、パージユニットの異常が起きると面倒なので、プリントヘッドのメンテナンスをマメにすることにして、安易にクリーニングしないようにしたい。特に強力クリーニングは避けたい。

なお

キャノン MP610のサービスモード(メンテナンスモード)の検証 – パソコンと家電の豆知識

でチェックしたところ、廃インク吸収体の利用率は74.2% 印字枚数はトータル7953枚だった。

 

(参考)前回修理時の伝票。2012年に「電源入らず」で制御基板とプリンタヘッドを交換している。

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