電気と電子と電波の日記

自分のための備忘メモです

ラジカセ修理 SONY CFS-E15

所用の途中で初めて立ち寄ったハードオフでジャンクを入手。「ラジオは鳴るが、テープ回らない」という状態。価格は強気の1000円。SONY CFS-E15という1993年のモデルで、バブル期に流行した曲線基調のバブルCDラジカセ全盛時代の廉価版で、お宝ジャンクとしての価値は無いが、良く見ると珍しくAMステレオに対応している。AMステレオ放送はいまや首都圏ではニッポン放送だけになってしまったようで、終了するのも時間の問題だろうから、無くなる前に聴いておきたい。また、いま我が家では、古いカセットの整理が課題になっているが、さすがにSONY TC-D5Mの仕様 ソニーを古テープの試聴に酷使するのも気が引けるので、お手軽な再生機がちょうど欲しかった。いまさらチープな中国製の新品をわざわざ買うのも嫌。ベルト交換で直ればいいかなと、とつい買ってしまった。

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早速分解。言うまでもないがSONY製品は分解しやすく内部もわかりやすい。幸いにも内部は比較的綺麗。製品はマレーシア製だが、基板もメカもスピーカーもSONYのロゴが燦然と輝く。部品もほとんど日本メーカー。今の製品よりも数段贅沢に見える。基板全体を見回すとコンデンサの液漏れなど外観的には問題ない。ラジオ基板、アンプ・コントロール基板、カセットテープのトランポート部にわかれている。ラジオ基板は表面実装ありの両面。チューナーICがCX20111、AMステレオデコーダICがCX857と、同世代のSONYのFM/AMステレオラジオSRF-M100で見たような構成だ。 アンプ、コントロール基板はベークの片面。カセットテープ録再系のアンプは東芝TA2036N。 パワーアンプはSANYO LA4593。メカニカルなトランスポートなので制御系はシンプルで数個のトランジスタのみ。

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録再ヘッドは段差を感じる程度に減っている。ピンチローラーは大丈夫そう。案の定、ベルトは切れているばかりか、プーリーにぐるぐる巻き込んで固着している。丁寧に取り外して輪ゴムで動作確認すると、トルクが出ないがテープが走行して再生音が出ることはわかった。最初、テープもラジオも片チャンネル出なかったが、ヘッドホン端子の接触不良が原因だった。

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たいした特徴のない機種なので、わざわざ修理やレストアする人もいないのか、ネットを漁っても関連記事があまり出てこない。サービスマニュアルは一部がネットでみつかった。早速参考にする。

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確認の結果、まともなベルトに交換したら実用になりそうなので、早速Amazonで注文。

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Amazonお急ぎ便のおかげで翌日には到着。適当な長さのものを装着。再生ピッチの調整と清掃をおこなってめでたく復活。懐かしいテープの音がとても新鮮。これなら古い120分テープも気兼ねなく再生できる。ニッポン放送AMステレオも受信できた。しばらく楽しめそうだ。


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ちょっとした達成感と、大量のゴムベルトが残った。これを消費しようと考え出すと、レストアにハマりそうで、危ない危ない(笑)

 

 ところでこのラジカセはヘッドが回転するタイプのオートリバースだが、最近の機種にはすっかり見かけないが、こういうことか。

“失われた技術”になるオートリバース - BCN+R