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スマートメーターと通信する その4

 ここまでに製作したブレッドボードをありあわせのクリアケースに収めて運用を開始した。ケースからは電源用のUSBケーブルが1本出ているだけ。こんな小さなブレッドボードに920MHz帯と2.4GHz帯の無線機があって、32bitMCUが2つも動いて、ネットにも接続できているというのはすごいもんだ。リアルタイムの表示は、下手に液晶や7セグLEDで頑張るよりhtmlのrefreshで表示させたほうが、文字は大きくできるし見やすく、家族受けも良い。 下の写真では液晶表示とWebサイト(30秒でrefresh)の例。数値に差があるのは表示のタイミングの差による。

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ambientには電力、R相電流、T相電流、R相+T相電流の棒グラフが表示できている。電力の利用状況でその家庭の生活サイクルが想像できるというのがよくわかる。また、スマートメーターと何らかの理由で通信ができない時間帯も把握できる。

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 (上の表示例、横軸(時間軸)の設定が異なっているので注意)

 

ここ3週間程度連続運用した実績からわかったことは

スマートメーターが30分おきに積算電力値を送信してくるが、そのタイミング以降、しばらく(2~5分程度)通信できない場合があるようだ。これはソフトのエラー処理がいい加減だからなのかもしれないが、teratermで手動でコマンド送信して実験していたときにも、不可解な動きのときもあったので、一概にそうとは言えないのかもしれない。また、2,3時間通信できない状態になっているのも3週間のうち4回ほどあったがどういう状態に陥るのか調べられていない。スマートメーター自身はAルート(電力会社が相手)の通信しているはずなので、Aルート側の通信時にBルートから通信要求があった場合にどうなるかなど、よくわかっていない点も多い。((追伸)2,3時間通信できない状態になっているように見えたのは、ambientの1日のアップロードデータ数3000件の制約によるものでした)

 それでもほぼリアルタイムに電力が把握できるのは魅力的である。例えば蛍光灯を消せば、消費電力が下がるのが目に見えてわかるし、小型の機器をコンセントから外すと待機電力の数Wが下がるのもわかる。また朝食時にオーブンやトースターを使っているときにドライヤーを使うと一気に3500Wを超えて(我が家は40A契約)、もう少し電気を使うとブレーカーが落ちるのではないかというような状態もリアルに感じることができる。一定の電力量になったらアラーム出すとか、電気料金に換算して表示するとかもやろうと思えば自在。我が家は消費電力の大きな家電がR相側に偏っているのもわかった。

今回自作したようなもの(適当な名前が無いが、スマート電力ウオッチ?)が、もっとオシャレなケースに入って、台所にちょこんと置けるワイヤレスなガジェットにするとか、常時稼働しているWifiルーターや、CATVや衛星のSTBに組み込んで、HEMSのホームサーバーとしてテレビ画面に電力の状況を表示するとかしてエコ(節電)に役立つようにすればよさそうだが、そういう商品やサービスがまだ少ないのは、やはりWiSUN無線モジュールのコストやHEMS機器の認証制度がハードルなのだと思う。

無線回線は特定小電力無線局として法制度が整備され、技適も取得されていて、信頼性が高い。通信プロトコルは、国際標準化されているものが利用されている。電力の利用状況はその世帯のライフスタイルが想像できるものなので容易に傍受されてならないので、認証と暗号化がされている、などいいことづくめのようだが、あまりにしっかりしていて、通信モジュールのメーカーも国内メーカーに限られていて単価が高く、家電にどんどん組み込んでいくのはハードルが高そう。自作したシステムの原価だけでも1万円はかかっているので、量産品に内蔵するにしてもコストは5000円くらいになってしまうのではないか。

 また、今回の実験の前提である電力の スマートメーターに関しては、導入の経緯を探ると、電力自由化や省エネといったキーワードで国策として取り組んで来た様子が窺える。常識的に考えれば、電力会社からすれば検針コストは下がるものの、電力自由化や省エネは、本音は否定的だったであろうから、スマートメーターの導入自体あまり乗り気ではなかったのかもしれないし、メーターの導入コストは電力料金に転嫁され、消費者に選択の余地がないのはいかがなものかといった議論や、メーターが電波を出すのだから、電磁波の健康影響を懸念した意見など、いろいろな議論があったようだ。

一時的なはなしだがこういうエピソードも。

http://diamond.jp/articles/-/72437

 

今回の実験はそうした経緯があって、その上で遊ばせてもらっている。Wi-SUNとECOHNETLite、今回の実験を通じて触れることができたのは良かったが、まだまだいばらの道を感じる。