電気と電子と電波の日記

自分のための備忘メモです

バーチカルアンテナ設置記 CushCraft MA-6VA 組立編

不良部品の修正をおこない、マニュアル通りに組立てる。マストに取り付けるためのマウンティングクランプ、ラジアルを取り付けるリング、バラン。

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バランは同軸ケーブルRG-58を、トロイダルコアFT240-61に14回巻くという指示になっていて、バラン前後のケーブルも指定されている。バランはソータバランとして動作するものらしい。

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できあがった部品。

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垂直部分の連結。アルミパイプの穴開け精度が悪く、ボルトを通す穴が合わない。少し広げてなんとか通す。

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ここから後は、レゾネター、ラジアル、給電部のケーブルの取り付けをおこなう。導体の接続部には導電グリス(テナメイト)を塗る。とりあえず31mmΦ2mのマストに取り付けて、寝かした状態でアンテナアナライザを接続。目的の周波数にはずれているが、それぞれのバンドにディップしているようなので、おそらく大丈夫だろうということで、立ち上げてみる。

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立ち上げた状態でSWR測定をすると、14MHzは、13.8MHzあたりの低いところに整合しているが、それ以外はマニュアル通りフォーンバンドのあたりに整合している。当局の運用はCWとデジタルモードがメインなので、各バンドの下方に整合するようにエレメント長を調整。狭い場所で立てたり倒したりで大変だった。おおむね期待通りに調整ができたので、対候性向上のためにアルミ部分にテナコートを塗布して、ひとまず組立作業と調整は完了。

長さを調整する部分の設定は以下の通りとした。

14MHz 上部16"=40.6cm のところ37cmにセット 下部4-1/2"=11.43㎝にセット

18MHz 13-1/4"=33.6cmにセット

21MHz 10"=25.4cmにセット

24MHz 8-1/4"=20.9cmのところ21cmにセット

28MHz 3-3/8" =9cmのところ10cmにセット

 

つづく

 

バーチカルアンテナ設置記 CushCraft MA-6VA 問題発覚編

アンテナの先端部分の14MHz用のレゾネーターアッセンブリは、コイルと、容量冠の働きをするのであろうX型のロッドがあるのが特徴。コイルのインダクタンスは12.1μHだった。

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次に、10mと12m用と、15mと17m用は、それぞれが1本づつのアッセンブリになっていて、どのバンド用なのかを表示するシールが貼られている。ここで問題発覚。

・コイルのインダクタンスを測ろうとしたら、12m用のコイル以外は導通なし。

・17m用であろう部分に20mのシールが貼られている。

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コイルとアルミパイプを接続する部分は、ラグ板にコイルの線材がはんだ付けされているが、レジンでコーティングされている。剥がしてみるとコイルの被覆がついたままハンダ付けされていたり、ハンダ付け自体がされてなかったり・・。酷い、酷すぎる。呆れるを通り越した。

 

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自分で手直ししても良いが、部品を返送してくれといわれたら面倒なので、ひとまず購入先に連絡。すると翌日には「申し訳ない。CushCraftに交換部品をオーダーしたので来たら送る。お代は不要です」という返信があり、さらにこんなアドバイスをもらった。

 Apparently the assembler of these coils did not take care to remove enamel from the coil lead when attaching the lead to the tube, so there is no path to complete the connection.

If you want to experiment, the tech at Cushcraft said you could remove the covering from the coils and remove the enamel covering the coil wire where it's attached to the tube. We do not need these parts back, so don't worry about trying this if you want.

という訳で、交換部品は待ちつつ、不良部品は自分で手直し。はんだ付けして、シリコンでシール。コイルの導通確認とインダクタンス測定。 

20mのシールが貼られた17m用コイル 10.6μH

15m 8.6μH

12m 5.4μH

10m 5.6μH

うーん、12mと10mも、表示が逆かも。

給電部のラグのハンダ付けも酷い・・言葉もない。やり直し!どうしたらこんなレベルの品質になるのか不思議。

交換部品もいつ来ることやら。

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このアンテナのreviewを見ると面白いです(汗) 皆さん同じような体験をしているらしくウンウンと頷くばかり。

https://www.eham.net/reviews/detail/9768

https://www.eham.net/reviews/detail/7752


 これじゃあこのアンテナを国内で売ろうにも輸入業者もリスクが高くて売れないなあ。

つづく

バーチカルアンテナ設置記 CushCraft MA-6VA 組立準備編

部品の確認が終わったので、マニュアルをしみじみと見て、組立作業のイメージトレーニングをする。アンテナの構造はだいたいこんな感じ。

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結構変わった形をしている。一番下の方のマスト取付金具部分はステンレスパイプだが、そこから上の給電点までの1m強は絶縁体のグラスファイバーパイプである。このグラスファイバーパイプに沿わせて、下方にM型コネクタ(UHFコネクタ、PL259)が付いたRG-58同軸ケーブルを添わせる。途中にソータバランを巻く。バランはトロイダルコアFT240-61に14回巻いたもの。このアンテナの垂直部分のトップに14MHzのレゾネーター、その下に水平に18MHz/21MHzのレゾネターと、24MHz/28MHzのレゾネターが付く。これらのレゾネターはエナメルでシールされたコイルが巻かれている。コイルの先のエレメントの長さで共振周波数の調整をおこなう。また給電点から垂直に50MHz用のレゾネターが付いている。これは単にアルミパイプで、長さが調整できるようになっている。ラジアルは長さが同じのステンレス棒8本である。

マニュアルには組立手順が書いてあるだけで、アンテナの特徴や動作は書かれていない。カタログの説明文には「OCFD」とあり、普通のマルチバンドバーチカルアンテナとは違うようだ。

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OCFDは、Off-set Center Feed dipole。長さを測って電気的な等価回路に置き換えて動作原理を明確にしたいところ。

部品チェックがてらレゾネーターのコイルの導通とインダクタンスを測っておくか。とここで問題発覚。
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つづく

 

 

 

バーチカルアンテナ設置記 CushCraft MA-6VA 開梱編

はるばるアメリカからアンテナが到着した。配達はヤマト運輸。受け取り時に消費税1600円を払う。荷姿はこんな感じ。長さ1.5mくらいの段ボール。箱を動かすとガラガラとパイプやアルミの部品がぶつかりあう音がする。大丈夫かこれ。

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開梱して中に入っていたもの。MFJのカタログは2015年版だった。

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マニュアルを見ながら、パーツを検品。Cushcraft Amateur Radio Antennas

外観からは破損しているような部品はなさそう。パイプやネジ類のサイズは当然ながらインチ単位。インチスケールの定規が役に立つ。金具やネジ類は種類ごとに分類して、無くさないように小袋に分ける。長さの違うアルミパイプは間違わないようにドラテでラベリング。

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一部、ナットやビスが多めに入っていたりしたが、欠品は無かった。今日はここまでとする。

 

バーチカルアンテナ設置記 CushCraft MA-6VA 購入編

我がアマチュア無線局の短波帯のアンテナは、ICOMオートアンテナチューナーAH-4と釣竿アンテナを2fベランダに設置してロングワイヤーにしたりループにしたりといろいろ運用してきたが、どうやって整合しているのかもわからないまま強引に整合してくれるのは、最初は便利だと思っていたが、次第に面白くなくなってきた。給電線以外に制御ケーブルが必要なのは面倒くさいし、ICOM以外の無線機につなぐのは面倒くさいしで、正直言って道を極めることなく飽きてしまった。電源が無くても使えるアンテナが欲しい。(本来それが普通なのだが)

そこで、アンテナチューナーは中古として売ることにして、売上金で新たなアンテナを購入することにした。

さて、何を購入するか。我が家のベランダに設置可能なバーチカル系で、ローバンドは捨ててもいいから18MHz,24MHzも出られることを条件にすると、国内メーカーではちょうど良い製品がなく、以前から気になっていたCushcraftのバーチカル系のアンテナで検討することにした。ちなみにCushCraftはMFJに吸収されたらしい。

Cushcraft Amateur Radio Antennas

同社のバーチカルアンテナは10MHz以下もカバーしたR8,R9といったRシリーズがあるが、大きくて重そう。14MHzから50MHzの各バンドをカバーするR6000も気になるが、大きすぎる。ちょうど良さそうなR5はラインナップから無くなった。さらに小型軽量なMA-5VA MA-6VAはどうか。このアンテナ、日本の設置事情を考えれば人気があっても良さそうなものだが、国内のアマチュア無線関連のブログでも運用例をほとんど見かけない。なぜなのだろう。

MA-6VAは、14MHz,18MHz,21MHz,24MHz,28MHz,50MHzの6バンド。耐入力250Wだが50Wの当局では十分。姉妹モデルのMA-5VAは、14MHz,18MHz,21MHz,24MHz,28MHzの5バンドだが、6m Add-On Kitとして50MHzのエレメントを足せば、MA-6VAと等価になるらしい。長さは4.48m 重さ3.13Kgである。じゃあMA-6VAにしよう。

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このモデル、国内の代理店で扱っているところが見当たらず(よく探せばあるだろうが)、アメリカのハムショップHam Radio Outlet(HRO)から輸入することにした。

 CUSHCRAFT MA6VA Antenna HF Vertical Multi Band, MA6VA

HROは全米各地にあるお店だが、インターネット通販もおこなっていて、日本にも発送してくれる。決済はPayPalとクレジットカードが利用可能だが、PayPalは為替レートが高めだからカード決済にした。
本体は$329.95だが、米国内の陸送で$22.95、米国から日本(UPS)
で$129かかり、合計$481.90。送料高っ。でも高いだけあって、4日で到着した。
ebayには送料が安いところがあるが納期がかかる)
私のアンテナは西海岸のニューハンプシャー州のお店からケンタッキー州を経て、アラスカのアンカレジ経由で成田にやってきたのだった。つづく。

 

場所 日付 現地時間 状況
TOKYO,  JP 2018/03/19 10:01 配達しました
Tokyo,  Japan 2018/03/17 20:30 配達のため現地の代理店に転送されています。配達は再スケジュールされました。
  2018/03/17 14:10 空港上屋スキャン(輸入)
Narita,  Japan 2018/03/17 11:05 空港到着時刻
Anchorage,  AK,  United States 2018/03/16 10:18 空港出発時刻
  2018/03/16 6:08 空港到着時刻
Louisville,  KY,  United States 2018/03/16 3:36 空港出発時刻
Louisville,  KY,  United States 2018/03/15 23:37 空港到着時刻
Manchester,  NH,  United States 2018/03/15 21:21 空港出発時刻
  2018/03/15 20:28 空港到着時刻
Nashua,  NH,  United States 2018/03/15 20:05 空港出発時刻
  2018/03/15 19:54 発地国センタースキャン
United States 2018/03/15 14:19 処理完了: UPSへの引渡し準備ができました
追加情報
配送分類:
 
荷物
出荷日または請求日:
 
2018/03/15
重量:9.70 ポンド
 
 

今日のラジオ

春分の日なのに冬に逆戻りの今日。

NHK-FMは「失恋ソングざんまい」、民放ラジオは民放連による共通番組を放送。たのしめました。

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