電気と電子と電波の日記

自分のための備忘メモです

Jingles

ラジオにジングルは不可欠だが、ラジオの本場、アメリテキサス州ダラスの老舗ジングル制作会社JAM Creative Production Inc.のyoutube動画をたまたま見つけてしまい、見入ってしまった。ジングルのメイキングはもちろん、昔のアメリカのFM局の運用が垣間見えて興味深い。 たかがジングル、されどジングル、奥深い。

It must been have love / Roxette

Comming around again / Carly Simon

のイントロが懐かしいなあ~

 

www.youtube.com

JAMcreative - YouTube

公式サイトには、サンプルも大量にある。

こちらもジングルの街?ダラスにある有名なジングル制作会社 TM Studio

tmstudios.com

 これらアメリカのジングル制作会社は、日本のFM局からの発注も多かったようだ。実際、サンプルを検索すると、いくつかの日本の局のものが見つかる。

 90年代、私が勤務していたFM局で使用していたジングルも、正確なことは聞いていないが、上記のいずれかに発注したものだったのかもしれない。歌詞(局名)違いの同じジングルを他局で聞いたこともあったので、パッケージものを購入していたのだろう。

 それらのジングルは、50種類以上あったと思う。いまはメモリーからポン出ししているのかもしれないが、当時はCDで出していた。局によって運用は違うと思う。

 ジングルのマスターテープは6mmで、当時まだ珍しかったCDレコーダ(パイオニア製)で、1素材1トラックでCDに焼いて運用していた。ジングルCDの補充が必要になった時には、CD同士でコピーする機材が無かったので、マスターテープかCDからアナログコピーで焼き直すのだが、一枚千円近くする記録用CDに1素材を1トラックづつ録音していく作業は、神経の使う面倒な作業だった。ファイナライズで失敗、というケースもあり泣きたくなった。

 生放送用のスタジオにはCDプレーヤー(DN-960FA)が4台あって、1番、2番には楽曲用、3番にはBG用、4番にはジングル用として運用していた。

 番組スタッフにディレクター、ミキサーがそれぞれいる場合、ジングルの選択と、スタートのタイミングは、ディレクターのキューに従ってミキサーがフェーダースタート(フェーダーの上昇に連動してスタート)する場合と、ディレクター自身が、卓のボタンでスタートする場合があった。ただ、規模の小さな局だったので、ワイド番組であってもディレクターとミキサーは兼任の運用が多く、担当した番組内では、選曲もジングルの選択も自由にやらせてもらっていた。業務用のCDプレーヤはフレーム単位(1/75sec)で頭出しができるので、タイミングよくつながるようにカツカツに頭出し。曲とジングルのつなぎがばっちりキマるのは快感だ。レベル管理はorban optimode任せのFM局では、番組ミキサーのセンスと腕の見せどころは曲とジングルの出しのタイミングくらいなので、スタッフから「さっきの当て方良かったよ」と言われると嬉しかった。

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(写真 1996年頃の某県域FM局の生放送用スタジオ CASIO QV-10で撮影)

 CDプレーヤのうち2台には、オーディオアダプタBU-0157が接続されていて、頭出しのモニターに使用していた。大きなつまみはOUTPUTのフェーダーでATTスタート(回すと演奏スタート)も可能。スタッフによっては好んで使う人もいたがガリが多かったかも。

 ジングルの種類には朝専用のもの(ニワトリの鳴き声入り)や、クリスマス専用のものもあった。頭出しを間違えて、昼間に♪コケコッコーや、真夏に♪メリークリスマスを出してしまうミスもあり、それらのジングルのトラック番号は、一度ミスると忘れることはなかった。(真夏♪にメリークリスマスをやらかした後、「ニッポンの夏、クリスマスソングで涼む」「南半球のクリスマスの気分になろう」いう意図の選曲をしたが、あまり受けなかったな(笑)それらのジングルはもう使われていない。

   日本のジングル制作会社さんも頑張っている。サンプルを聞くとよく耳にするようなものが多い。個人的にはド派手なアレンジと外人のダミ声は食傷気味だが。

https://www.jingle.jp/

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