電気と電子と電波の日記

自分のための備忘メモです

心折れます・・ ADF4350PLL

1200MHzトランスバーターの実験をしているが、ADF4350PLL基板の出力がロックしなくなってしまい、設定した1150MHzに対して1170MHz付近を発振するようになってしまった。原因がわからないので、もう1枚、中国から購入。6m&downコンテストに間に合えば、そこで通信できるかもしれない、と期待していたら、見事にコンテストの前日に届いた。期待ミチミチで早速試験してみたら、きちんとロックして1150MHzで発振したので、トランスバーターに実装し、試験しようとしたら、出力が出てこない。おかしいなあ。もう一度外して試験するとPLLはロックするが出力レベルが異常に低い。どうも物理的な要因らしく基板をチェックするが異常が見当たらない。

うーん。

・周波数NG、出力レベルOK

・周波数OK、出力レベルNG

の2枚の基板を前に、心折れている雨の土曜日なのでした。

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PICの回路図、オマケです。この結線で子基板を作り、PICを接続して制御してるんです。
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PICのソフトは過去記事参照

 

7/20追記

3枚目到着‼️ 基板上のTCXO25MHzで発振試験。無事動作。また壊れないか怖いなああ。怖いのでTCXO換装しないでこのまま使おう。

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5G on 相模湾

短期間だけど天候と塩との闘いだね。成功を祈ります。

「TOKYO 2020 5G PROJECT」へ超高臨場感通信技術Kirari!の技術協力を行い新たな観戦体験を再創造~セーリング競技の全日程で12K超ワイド合成映像を遠隔にライブ通信~ | ニュースリリース | NTT

https://www.nttdocomo.co.jp/binary/pdf/info/news_release/topics_210701_02.pdf

 

ISSのSSTV送信

ISS国際宇宙ステーション)からのSSTV送信を受信してみました。

 <日本周辺を通過するパス多数>日本時間6月21日(月)から6月27日(日)まで、国際宇宙ステーション(ISS)が12種類のSSTV画像を145.80MHzで繰り返し送信 | hamlife.jp

何度か待機受信したところ、宇宙飛行士の野口聡一さんとシャノンウォーカーさんの写真のバージョンが取れました。

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 野口さんとシャノンさんいえば、今年1月に地元、逗子市立久木中学校で実施されたARISSスクールコンタクトで交信してくれたお二人。私もかかわったので思い出深い。

 

そのARISSスクールコンタクトの本が7月2日に発売されました。 なかなか情報が少ないこのイベントの準備や実務など詳細に紹介されているほか、アマチュア無線そのものの楽しみ方についてもわかりやすく解説されていますので、ご興味あるかたは是非。

 

 

中波関連

昨日は民放AMラジオ局44局が2028年秋までにFM化へ、在京3局はAM停波も目指すという報道がされ、「AM放送廃止」という報道や一般の方々の反応がネットにあふれている。すでにFM補完中継局が運用されているためか、すでにFM転換しているのでは?という反応もあるようだ。

・民放AMラジオ44局は、北海道を放送対象地域とする「北海道放送」「STVラジオ」と、秋田県を放送対象地域とする「秋田放送」の3社を除く44社が運営する中波放送ということ。

・2028年秋というのは、地上基幹放送局の無線局免許の年月日は原則11月1日となっており、次回の再免許(2023年11月1日)の有効期間を迎えるタイミングが2028年10月31日だから。

・在京3局は、関東広域圏を放送対象地域とする中波放送(TBSラジオ文化放送ニッポン放送)で、中波の停波時期を明らかにしたのは初めて?

・現在は、AM放送局の親局は中波で、超短波のFMは中波を補完する中継局という扱いだが、「FM転換」後は、その企業としての業態と親局の無線局免許は「中波放送」から「超短波放送」となるということ。(中波を継続する場合には、中波が超短波放送を補完する制度になるのかは、よく知らない)

・現在、広域圏の中波放送が超短波放送に転換する場合、放送対象地域は不変となるのか? 放送対象地域内であれば、超短波の中継局が置局できるようになるのか?よく知らない(たとえばTBSラジオ群馬県榛名山中継局が置局できるのか?)

 

  よく知らない、というところは、「諸課題検討会」の報告と、パブコメの結果をよく読み込めということだ。

xtech.nikkei.com

www.soumu.go.jp

 

結局、中波帯はどうなるのだ、ということでいうと

NHKは2025年度に中波は現状の2系統から1系統に統合するが、中波全部を停波する話にはなっていない。

・民放は2023年度の再免許から中波を停波するAM放送局が出始め、2028年度までには多くの親局が停波する。

つまり2028年頃の中波帯は国内放送はだいぶ寂しくなるが、中波放送が全く無くなる訳ではないようだ。

 

ところで、茨城県域の中波放送局「茨城放送」のFM補完中継局が7月に追加されるが

総務省|関東総合通信局|株式会社茨城放送のFM補完中継局に予備免許

100Wとはいえ、埼玉県、千葉県、東京都の各一部にもリークオーバーすることがわかっているためか、6月上旬の同社のプレスリリースや報道では

・送信場所はつくば市

・県南地域の難聴が大きく改善

・特に常磐線TXの沿線でよりクリアに聴けるようになる

・結果としてNACK5ベイエフエムFMヨコハマに続き首都圏でも聴ける4つ目の県域FM局になる予

・電波拡大でパワーアップ

と書いてあったはず。ブランドも4月からLuckyFMとし、自社制作の拡充した番組改編など、頑張っているのは応援したいが、補完中継局はあくまでも中波の補完であって、エリアを拡大するものではないし、これ言い過ぎではないのー?と思っていたら、その後「誤解を招く表現があった」として訂正されている。

LuckyFM茨城放送は周波数88.1MHzで県南地域の難聴を改善|LuckyFMのプレスリリース

LuckyFM茨城放送は周波数88.1MHzで県南地域の難聴を改善:時事ドットコム

想像するに、各所からクレームがあったのかと推測するが、首都圏のFM局と一般に言われているの局も、制度上は県域あるいは東京都域の放送局(除インターFM)なのに、リークオーバー前提で営業している。電波に県境は無い。制度にめげずがんばってほしいです。

 

 

 

 

 

スピーカー修理 TANNOY mercury m1

いや~はまりましたね。我が家のリビングのオーディオシステムのスピーカー。たまにしか使われていないが、久々にCDを聴こうとしたら音が変というというクレーム。どれどれと聞いてみると、それほどでもない。アンプは先日修理したばかり。クレームはしばらく放置しておいたが、ヘビークレームに発展、ようやく「お客様相談室」が本格的な調査に重い腰を上げた。

スピーカーはTANNOYのmarcury m1。13cmウーファと2.5cmツイータの2WAY。ペアで3万円程度だが、作りはしっかりしていて、温かみのあるUKサウンド(?)を奏でるスピーカーとして名高いが、1999年製でかれこれ22年も経過している。

 改めて聞いてみると、片方のツイータ(高音用スピーカー)は蚊の鳴くような音。もう片方のツイータは全く音が出ていない。ただ揺らしたり時間をおいて聴くと音が出ているときがある。音が出ていても出力は低めでレベルが変わる。ウーファ(低音用スピーカー)は高域が出ていないので、3kHzあたりから下がった特性のナローな音になっているが、状況が変化する。なんだかわけがわからんが、おそらく接触不良だな、ということで分解を始める。スピーカーとターミナルは六角ネジで固定されており、すべて外し、スピーカーユニットとネットワークを取り出す。
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調査の結果、わかったことは

・ツイータは、ドーム型。ドームのコーティングがボロボロになっており、内部に吸音材の残骸がうっすら見える。一方は、端子の直前で断線しかかった状態。もう一方は、音声を入力しても蚊の鳴くような音しか出ない。

・ウーファは、特に問題はなさそうだが、汚れがひどい。

・ネットワークは、ツイータにつながるフィルムコンデンサ(4.7μF)は正常のようだがコイルと基板のハンダが怪しく接触不良があるようだ。ウーファとパラにつながれている、高域のインピーダンス補正をしているらしい0.33Ωのセメント抵抗+6.8μF無極性電解コンデンサだが、片方のユニットだけ電解コンデンサの容量が少なめ。容量抜けか。

 

・・と、なんだか同時多発不具合でわけがわからなくなってきた。えーい面倒だ。ということで、コンデンサは全交換。 秋葉原に行けば手っ取り早いが暇もないので、通販サイトをあさる。まずは秋月電子から。あったあったフィルムコンデンサはこれでいいや、と思ったが、、

フィルムコンデンサー 4.7μF250V: パーツ一般 秋月電子通商-電子部品・ネット通販

秋月電子にはフィルムコンデンサはあるものの8.2μFの無極性電解コンデンサが売っていない。それではと千石電商のサイトを見てみると、オーディオ用途のものがあるがやや高価。2か所に発注するとそれぞれ送料かかるのも嫌なのと、天下のTANNOY、20年越えに敬意を表し、奮発して千石電商に発注。

・PARCAudio 高品質フィルムコンデンサー(4.7μF)  DCP-FC001-470 単価  620円 X 2
・PARCAudio 高品質 両極性電解コンデンサー(8.2μF)  DCP-C001-082 単価  410円 X 2
注文の翌日には到着した。もともと装着されていたコンデンサよりも耐圧が高いのででかくなってしまった。
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とりあえず動作確認用に仮接続してチェック。

 ツイータの方は、断線しているユニットからドーム部分を丁寧に剥がしてボイスコイルを取り出すが、異物が付着していて汚れがひどい状態。シルクドームのボイスコイルは部品として売っているので、だめなら買うこともできるがここは修理にトライ。吸音材が加水分解で溶けたためなのか、溶けたコーティング剤なのか、マグネットの隙間に挟まっている。ボイスコイルはアルコールで洗浄し、細銅線を接続して導通を確認。マグネットのスリットにはアルコールをしみこませた紙片を差し込んで清掃すると茶色っぽい異物がべっとり。これって磁性流体?と思ったがこの時代のこのクラスのツイータにはそんなもの使っている?・・よくわからないがともかくきれいになるまで清掃。吸音材の残骸は剥がした。

 はがれてしまったドームのコーティング剤として、木工用ボンドを薄くまんべんなく塗布。一晩乾燥させてチェックすると、2つのツイーターに音量差がある。コイルの芯だしを調整してもだめ。ドームの硬さに差があるようなので、木工用ボンドを塗りなおし、乾燥後チェックしてらほぼ同じような音量になった。ドーム周辺にボンドを縫って接着。そういえば吸音材を貼るのを忘れてしまった。これだと固い音、妙な歪が出そうだが、まずはこの状態で試してみる。

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スピーカーとネットワークを仮接続して組み立て前の音出しチェック。問題なさそうなのでスピーカーとネットワークを取り付けてしばらくエージング

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数時間鳴らしているとだんだん息を吹き返してきた。ちょっとハイ上がり気味な特性に変わった気がするが、満足できる音が復活。メモったネットワークの回路図も載せておく。
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このスピーカーをチューンされた方のブログがあったのでこちらも参考にどうぞ。

TANNOY mercury m1 極みチューン!!!

 

話のついでにリビングのオーディオシステムを過去記事から紹介しておきます。

アンプ

CDプレーヤー

FMチューナーはアキュフェーズのT-105です。

 

時の記念日 6/10

 今日6/10が「時の記念日」であることは小学生時代から知っていた。去年、制定100年であるニュースも目にしたが、現在の時刻制度が定められた日とか、近代の話かと思ったら、全然違っていた。なんと日本書紀の時代に遡るらしい。

時の記念日の由来|近江神宮

今年は「時の記念日」制定100周年です | ブログ | 飛鳥資料館|公式サイト

さて、電波と時刻は切っても切れない関係にあり、このブログを読んでいる人にとってはあたり前の話で、標準電波JJYとか何度か話題にしているが、今日はアメリカの標準電波電波であるWWV,WWVHの話である。WWVはコロラド州、WWVHはハワイのカウアイ島から送信されている標準電波で周波数は2.5MHz 5MHz 10MHz 15MHz。もちろん日本でも受信できるが最近は短波のコンディションでは中国の標準電波BPMばかり目立ってしまう。何度か廃止の話も耳にしたが現在も継続して運用されている。詳細はこちら。

WWV and WWVH Digital Time Code and Broadcast Format | NIST

WWVH - Wikipedia

今回紹介したかったのは、この動画。1988年に撮影されたWWVH局内ツアーで、ハワイ在住のおそらく日系のエンジニアさんが、丁寧に説明してくれている。

 

中でも興味深いのは時刻を自動音声(女性)で送信している装置。The Audichronというもので、アメリカでは博物館モノの有名な装置らしい。 

Audichron - Wikipedia

Audichron Company - Wikipedia

磁気ドラムに短時間・多種類の音声を記録、再生できる仕組みらしい。磁気ドラム上でスタート位置が異なるらせん状のトラックがたくさんあるのかな。

 

www.youtube.com

www.youtube.com

 声の主は、Jane barbe 

en.wikipedia.org

 ある世代以降のアメリカ人にとっては彼女の声は誰もが知るものらしく、1989年当時のテレビ番組での反応を見るとそれがよくわかる。

www.youtube.com

 日本ではどうだろう。ざっと探したところNTT東日本のサイトにこんな記事があった。当然、今は音声メモリーで再生しているが、面白いエピソードは無いものか。

https://www.ntt-east.co.jp/release/0506/050609_1.html 

というわけで、時の記念日からWWV,WWVHの話に強引に飛んだ。現在のWWV,WWVHがどのような送信システムなのかは調べ切れていないが、1988年のWWVHのエンジニアの話は聞いているだけも楽しそう。思えばアメリカの送信所や放送局の見学ツアー動画は多数見つかるのだが、どれもエンジニアが楽しそうで、楽しそうな裏にある誇りを感じることができる。一方日本にはエンジニアが局内を生き生きと紹介しているような動画は少ない。時代と国民性もあるのだろうが、全般に秘密主義。つまらない。