電気と電子と電波の日記

自分のための備忘メモです

中波関連

昨日は民放AMラジオ局44局が2028年秋までにFM化へ、在京3局はAM停波も目指すという報道がされ、「AM放送廃止」という報道や一般の方々の反応がネットにあふれている。すでにFM補完中継局が運用されているためか、すでにFM転換しているのでは?という反応もあるようだ。

・民放AMラジオ44局は、北海道を放送対象地域とする「北海道放送」「STVラジオ」と、秋田県を放送対象地域とする「秋田放送」の3社を除く44社が運営する中波放送ということ。

・2028年秋というのは、地上基幹放送局の無線局免許の年月日は原則11月1日となっており、次回の再免許(2023年11月1日)の有効期間を迎えるタイミングが2028年10月31日だから。

・在京3局は、関東広域圏を放送対象地域とする中波放送(TBSラジオ文化放送ニッポン放送)で、中波の停波時期を明らかにしたのは初めて?

・現在は、AM放送局の親局は中波で、超短波のFMは中波を補完する中継局という扱いだが、「FM転換」後は、その企業としての業態と親局の無線局免許は「中波放送」から「超短波放送」となるということ。(中波を継続する場合には、中波が超短波放送を補完する制度になるのかは、よく知らない)

・現在、広域圏の中波放送が超短波放送に転換する場合、放送対象地域は不変となるのか? 放送対象地域内であれば、超短波の中継局が置局できるようになるのか?よく知らない(たとえばTBSラジオ群馬県榛名山中継局が置局できるのか?)

 

  よく知らない、というところは、「諸課題検討会」の報告と、パブコメの結果をよく読み込めということだ。

xtech.nikkei.com

www.soumu.go.jp

 

結局、中波帯はどうなるのだ、ということでいうと

NHKは2025年度に中波は現状の2系統から1系統に統合するが、中波全部を停波する話にはなっていない。

・民放は2023年度の再免許から中波を停波するAM放送局が出始め、2028年度までには多くの親局が停波する。

つまり2028年頃の中波帯は国内放送はだいぶ寂しくなるが、中波放送が全く無くなる訳ではないようだ。

 

ところで、茨城県域の中波放送局「茨城放送」のFM補完中継局が7月に追加されるが

総務省|関東総合通信局|株式会社茨城放送のFM補完中継局に予備免許

100Wとはいえ、埼玉県、千葉県、東京都の各一部にもリークオーバーすることがわかっているためか、6月上旬の同社のプレスリリースや報道では

・送信場所はつくば市

・県南地域の難聴が大きく改善

・特に常磐線TXの沿線でよりクリアに聴けるようになる

・結果としてNACK5ベイエフエムFMヨコハマに続き首都圏でも聴ける4つ目の県域FM局になる予

・電波拡大でパワーアップ

と書いてあったはず。ブランドも4月からLuckyFMとし、自社制作の拡充した番組改編など、頑張っているのは応援したいが、補完中継局はあくまでも中波の補完であって、エリアを拡大するものではないし、これ言い過ぎではないのー?と思っていたら、その後「誤解を招く表現があった」として訂正されている。

LuckyFM茨城放送は周波数88.1MHzで県南地域の難聴を改善|LuckyFMのプレスリリース

LuckyFM茨城放送は周波数88.1MHzで県南地域の難聴を改善:時事ドットコム

想像するに、各所からクレームがあったのかと推測するが、首都圏のFM局と一般に言われているの局も、制度上は県域あるいは東京都域の放送局(除インターFM)なのに、リークオーバー前提で営業している。電波に県境は無い。制度にめげずがんばってほしいです。