電気と電子と電波の日記

自分のための備忘メモです

3.5MHz帯通信実験

秋になって日も短くなってくると、 中波や短波のローバンドが恋しくなってくる。

晩の3.5MHz帯は活気があるし、1.8MHz帯もバンドが拡張されSSBが運用できるようになり、現在の無線機 (ICOM IC-7100)も技適番号の変更なく新たな技適を受けてくれて、 かつ無線局変更許可無しで運用できるようになったので、 今年は実験をしてみたい。といって大きなアンテナを建てるスペースもないので、 小さなアンテナと少ない電力でどこまで届くかという楽しみ方。 先人のブログを見ていると、コメットの車載用アンテナ( モービルホイップ)HR3.5に5mくらいのエレメントを継ぎ足すと、1.8/1.9MHz帯に 共振するという記事があり、2バンドで実験楽しめそうなので購入。

このアンテナはセンターローディングで長さ2.2mもある。因みにローディングコイルのインダクタンスを計測すると162 uHだった。

HR3.5 (3.5MHzモノバンド) | コメット株式会社

https://www.comet-ant.co.jp/wcometp/wp-content/uploads/2019/10/HR-series_ver3_JE.pdf

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これをベランダに置いた屋根馬に基台で固定し、アース側には100円ショップで買った16mのアルミ針金を半分くらいに適当に切ったものをラジ アルとしてベランダの床に投げ出す。アンテナの基台から出した1.5mのケーブルにアンテナアナライ ザを接続し特性を見てみると、

・ラジアルが無いと共振点がみつからな い。

・ラジアルを接続し、 アンテナのエレメントを一番長くした状態で、3570KHz付近 に共振。FT8の国際用周波数3573KHzでSWR1.8くらいになった。 取扱説明書にはエレメント長1cmあたり12KHz共振点が移動すると書かれている。

・CW用の3510KHzあたりやFT8国内用周波数3531KH zに共振させるには、うちの環境では5cmくらいの針金をエレメントの先端に継ぎ足す必要があった。 いずれも使える帯域は10KHらいしかなく、アンテナチューナー無しでは、 ピンポイントでの運用しかできない。

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まず、3573KHzに調整した状態で、夕暮れ待つ。日が暮れるとFT8で アメリカやオーストラリアの局が見えることがあるが信号が非常に弱い。届かないことを承知で、まずは5Wで恐る恐る 海外局を呼んだ後、PSKreporter見てみると、国内局にしか届いていないみたい。じゃあ10dB アップの50Wにすると、オーストラリアとアラスカに届いたみたい。 タイミングが合えば海外局と交信できるかなという感じ。朝まで受信状態にしたまま翌朝ログをチェックすると、 明け方にヨーロッパ方面が入感していたり面白そうだ。ベテランが「3.5MHzのDXは早起きで寒くてね・・」と言っていたのを思い出す。

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数日後、 雨の日にアンテナが濡れたら共振点がどのくらい変化するか調べた ら、40KHzほど下がっていて、偶然にもFT8の国内周波数で3531KH z付近で共振していた。

雨の日にはこの自動チューン機能?で国内交信をやってみよう。 国内だから5Wで十分と考えてCQを出している局を呼ぶと、 立て続けに他局からも呼び出しがあり、あれよあれよという間に各エリアと交信できてしまった。(1day AJDってやつですね)

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PSKreporterを見ていると、 国内でもスキップしている微妙な近場は全然応答がなかったりまったく届かないエリアが時間とともに移動していったりと、 電離層任せの伝搬の面白さがリアルに体験できて楽しい。

次は1.8/1.9MHz帯を実験してみよう(つづく)